上海と蘇州観光 4日間

2010年1月29日〜2月1日

 経済発展の著しい中国は、今年中に日本を抜き、世界第二の経済大国になる模様です。
 また、外貨準備高も日本を抜いて世界一となり、アメリカの国債を大量に持ち、いまや、世界的に大きな影響力を持つようになっています。アメリカにとって、日本よりも中国を重視するのは当然かもしれません。
 そういう中国も、サブプライムローンの破綻に依る世界経済の落ち込みを受け、輸出の激減により数多くの企業倒産と失業を生み出しました。その後、政府による大規模な刺激策により、どうやら持ち直しつつあるようです。ただ、13億人の人口を抱える中国は、毎年2000万人の新規労働力が発生し、そのうち、大学卒が700万人もおり、経済成長が止まると政治不安が発生するようです。
 現地のガイドさんに聞いたところ、大学卒の初任給は約3000元+ボーナスで、景気が良いと毎月ボーナスが出るそうです。日本の約1/4から1/5程度ですが、物価も同じぐらい安いので、都会暮らしの人は日本人並みの暮らしが出来そうです。
 中国は共産党の一党独裁であるがゆえに、民衆の不満を大きくなっても、それに代わる政権が無く、それがまた、弱点のようです。党幹部にとって、経済発展は至上命題のようです。
 上海の人口は1,800万人と人口のの多さでは世界のトップクラスであり、その上、毎年50万人の人が流入しており、それに対応するため、二日に1棟のビルが建てられているそうです。また、上海には30階以上の超高層ビルが770棟もあり、日本全体の超高層ビルをはるかに上回るそうですが、 今年5月には上海で万国博覧会が開催されその規模も今までの万博で最大だと言われています。
 上海へは過去5回ほど出かけていますが、今回、上海に行ってみようと思ったのは、家内が阪急交通社の格安ツアーを見つけたためでした。5ツ星ホテルに3泊し、飛行機はANAで、空港からホテルまでの送り迎えとホテルでの3回に朝食付きで、29,500円でした。どのようにしてこのような安値でツアーを組めるのか不思議ですが、これよりもさらに安いツアーもたくさんあるようです。 


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参考までに上海の地図を下に示しました。


 下は毎日の観光内容です。

曜日 観光内容
1日目 成田から上海へ。その後市内見学
2日目 蘇州観光
3日目 上海市内歩きまわり
4日目 上海から成田へ


         
1日目 上海到着後、市内見学


 成田発9時40分のANA便で上海に向かい、到着は時差が1時間あるため、午後1時半ごろでした。
 機内では昼食が出され、ビールやワインも無料でした。こんなに安い料金なのに申し訳ない感じでした。
 空港を出ると旅行社の人が待っていて、バスでホテルまで案内してくれました。ガイドさんは中国人でしたが、日本語をよく話せます。ツアーの参加者は約24名程度で、20歳代の4名の女性以外はすべてご夫婦のようでした。
 空港からホテルまで約40分程度でした。チェックイン後、早速市内見学に出かけました。


新天地から上海老街まで

 地下鉄で淮海中路まで行き、新天地から上海老街を通り豫円まで約2kmほどですが、歩いてみました。
 新天地はフランス租界の町並みを再現したものですが、上海にしてはモダンな雰囲気です。
 途中、上海の旧市街を通りますが、歩いていると、あやしげな店や骨とう品街に出会いました。豫円近くの上海老街近くには、たくさんの高層建築群が迫って来ています。
 



豫円

 上海きっての古典的庭園で、上海を訪れた人は必ず見学すると言われています。




外灘ビル群

 豫円から黄浦江に出て、外灘のビル群の前を通り、南京東路の方へ向かいました。以前来た時はたくさんのバイクが走っていましたが、大きな道路でのバイクはめっきり少なくなりました。でも、少し路地を入ると、まだたくさんのバイクが走っていました。
 外灘のビル群は租界時代に作られ、歴史的建造物が並んでいます。道路は5月から始まる上海万博のためでしょうか、工事の真っ最中でした。驚いたことに、歩行者の事は全く考えておらず、歩く道が無くて苦労しました。また、黄浦江の川べりには壁が作られ、上海名物、浦東のビル群が良く見えませんでした。



外灘観光隧道

 外灘の地下街を歩いていると、隧道の案内があり、行って見ました。地下隧道は黄浦江の下を通り、上海旧市街と新市街の浦東新区を電車で結んでいますが、まさに観光電車で、電車は光の輪の中を進んでゆきます。約5分ほどで到着でした。
 


 隧道を出ると、もうすっかり暗くなっていました。地下街は新宿や渋谷のような賑わいでした。さすが世界一の大都市です。
 ビルの中の中華レストランで夕食をとりました。ビールを頼むと生ぬるいのが出てきました。中国では生ぬるいビールと冷たいビールの2種類があり、冷たいビールと言わないと生ぬるいビールが出てくるようです。


        
2日目 蘇州観光
 
 旅行社によるオプショナルツアーの蘇州観光を頼んでみました。1人12,000円でした。申し込んだのは私たちだけだったので、小さなライトバンによるツアーとなりました。空港に迎えに来たガイドさんが1日、付き合ってくれました。
 蘇州は上海の西約80kmの所にあり、車で約2時間の所に位置しています。



 上海から高速道路を使用して蘇州に向かいます。約4年ほど前に車で上海から蘇州経由で南京へ行ったことがありますが、その時は沿道にたくさんの農地と古い民家を見ることが出来ましたが、今は完全に変貌し、新しい住宅と工場団地が上海から蘇州まで繋がっています。ガイドさんによると、以前の農地に新しい街が突如出現した感じだそうです。
 東京が浦和や千葉、横浜まで、民家で埋め尽くされて居るのに似ていますが、東京が大変貌した30年前ぐらいの状態によく似ている感じでした。



東洋のベニス 蘇州

 西に位置する太湖の畔に発達した蘇州の街には運河が縦横に走り、小舟が行き交い、東洋のベニスとも言われるそうです。
 この街はシルク産業により大発展をとげ、明、清代には国内有数の大都市への成長しました。



虎丘

 丘の上に建つ塔は961年に建てられ蘇州では最古の塔と言われています。その後、地盤が沈下し、3.5度も傾いており、東洋の斜塔としても有名だそうです。



寒山寺

 禅宗寺院であり、日本人にとって、高校時代に誰もが漢詩「楓橋夜泊」を学ぶので大変有名です。今回は3度目の訪問ですが、このお寺は何時も日本人で一杯です。


 この寺の創建は6世紀ですが、7世紀になり、寒山と拾得という二人の僧が住職になってから、寒山寺と呼ばれるようになったそうです。
 清代末期に戦火により焼失していますが、1860年に再建されています。
 月落烏鳴で始まる詩は、唐代の詩人「張継」により読まれています。
 12月31日の夜は、このお寺の鐘を聞くため、たくさんの日本人団体が押し寄せ、観光バスが行列するそうです。なお、中国のお正月は旧暦で2月になります。



留園(世界遺産)

 シルク産業から富を得た富豪たちは、争うようにたくさんの江南式庭園を造り、現在、9つもの庭園が世界遺産に指定されています。その中でも留園は中国4大名園として湛えられています。創建は16世紀ですが、18世紀末、大規模な改修工事が行われています。透かし彫りや歴代の名書家による作品、中国3大太湖石のひとつ、高さ6.5mの太湖石・冠雲峰があります。
 



蘇州絲綢博物館

 シルクで栄えた蘇州にはシルク博物館があります。ただ、博物館と言ってもシルクによる芸術的製品の販売所のような感じでした。
 世界の名画を刺繍で作っていました。1枚作るのにかなりの時間が必要なそうです。


 帰りの高速道路から見た風景です。たくさんの住宅用高層建築が建てられています。東京との違いは、街の中心近くにもたくさんの住宅用高層建築が作られている事です。通勤には便利でしょう。ただ、空気はよどんでいました。


      
3日目 上海市内歩きまわり 

 今日は上海市内を出来るだけ歩いて廻ります。しかし、残念ながら雨模様です。どのようにして過ごそうか迷っていると、9時ごろ、雨が止み霧模様になって来ました。いざ、ガイドブックと雨傘を持って出発です。
 たまたま今日は日曜日なので、道路は大変空いています。
 まず、ホテルから歩いて10分ぐらいの所にある「世紀大道」駅から「南京東路」駅まで地下鉄を利用して行きました。この地下鉄は一昨日も利用しています。
 上海の地下鉄は現在1号線から9号線まで動いており、10号線から16号線までは工事中です。東京並みの大地下鉄網です。利用は大変簡単で東京並みです。料金は距離にもよりますが3元から6元ぐらいと、東京の1/3ぐらいの値段でした。
 世界的にも珍しいのですが、乗る時、手荷物検査があり、大きな荷物は検査機で調べられます。



南京東路から魯迅公園まで歩き

 東京の銀座通りに匹敵する南京東路は、歩行者天国になっていますが、朝早いこともあって、ガラガラでした。
 ここから魯迅公園まで歩いてゆきます。
 途中、外白渡橋を渡ると、昔、泊まったことのある上海賓館が見えて来ました。このホテルに泊まったのは1985年と25年も前の事でした。ホテルの外観は昔と同じでしたが、南京路の風景は全く変わっていました。当時、南京路に面した電話局の中には、電話の順番待ちの人で長蛇の列が出来ていたのを覚えています。



 町を歩いているとファミリーマートがたくさんあります。伊藤忠傘下のファミリーマートは上海でも頑張って居るようです。覗いてみるとおにぎりも置いてあり、日本の缶ビールも置いてありました。500mlの長缶が7元(100円)と日本の半値以下でした。
 スターバックスもあり、疲れると休むのに便利でした。


多倫路(タリンロ)文化名人街

 魯迅公園のすぐ南側に多倫路文化名人街があり覗いてみました。この付近はかって日本人街のあったあたりだそうで、多くの文化人も暮らしており、当時の街並みが再現され、文化人の銅像もたくさん見つけることが出来ました。
 



上海駅周辺

 魯迅公園の近くにある地下鉄「虹口足球場駅」から「上海火車站駅」まで、地下鉄で行き、上海駅を見学して見ました。地下鉄から外に出ると、たまたま、北口に出ましたが、たくさんのバイクが人を待っています。どうも、バイクタクシーなのでしょうか。
 北口と南口を結ぶ地下道はものすごい人でした。上海駅の正面玄関は南のようです。これらの混雑も、東京の朝の通勤状態を経験しているので、そう驚くほどではありません。
 駅周辺は、日曜日のためでしょうか、車の数はあまりありませんでした。
 



玉佛禅寺

 上海駅から歩いて30分ぐらいの所にある上海最大の禅宗寺院で、1882年に創建されています。黄色の外壁に囲まれていますが、黄色の外壁はお寺にのみ許されるそうです。



静安寺

 玉佛禅寺から3kmほど離れた所にありますが、だいぶ疲れてきたので、タクシーを拾って行きました。上海のタクシーは大変安く、25元、約400円ぐらいでした。
 このお寺は三国時代の247年に作られたそうで、日本の空海も遣唐使としてここを訪れています。
 歴史あるこのお寺も、今は高層建築に囲まれて居ました。



上海雑技団

 夜は人民公園近くの上海雑技団を見学しました。今回は切符の手配やホテルから雑技場までの送迎を旅行社に頼みましたが、25年前はホテルからここまで歩いて来て、ダフ屋から切符を入手し見た思い出があります。
 完全満席で、演技も満点の出来でした。出し物は定番で、団員も慣れたものでした。


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